和と洋

お勧めのゲームを教えてくれと言われた。
相手はPS2ユーザー。
私はPS2持ってない(くまうたをやりたくなったときだけ誰かに借りてる)ので質問されても困ってしまうのだけど、一応答えた。
GTA:vice city*1とか、人気あるみたいだしどうかねぇ」
「それってどんなゲーム?」
「ピザ屋の配達から救命行為、拳銃で撃ったりゴルフクラブで撲さt(自主規制)までできる自由度最高の…」
「やだよそんなゲームの中で人ごろs(自主規制)なんかしたくないよ〜」
「じゃぁ『侍』とかどうだろ」
「それはどういうの?」
「自分が侍になって好き勝手に生きられるのさー。義に生きるもよし、ただの辻斬り、人斬りになるも良し」
「おぉ、それ面白そう!買うわ」


実際、私が勧めた2本って、時代、舞台設定は違うけど、内容はかなり似たゲームな訳なのです。
どちらも人助けもできれば、人を殺める事もできる、自由なゲーム。
しかし、かたや現代(厳密には80年代)アメリカ、かたや明治時代最初期の日本。
そこから受けるイメージの違いでしょうか。
そういえば、同じ殺害シーンでも、時代劇で見るのと、現代劇で見るのでは、かなり印象が違います。
必殺仕事人の仕事シーンよりも、現代ドラマの殺害シーンの方がびびる。少なくとも私はチャンネル変えてしまう。恐がりだし。
今の私たちにとって、江戸時代というのは、遠い外国以上に異世界なんである。
儀式、儀礼も全然違うしね。
当時の彼等がどのような思考パターンを持っていて、どんな暮らしをしていたか、すぐにはピンと来ない。
(実際はたいして変わんないだろうけど、具体的に想像はしにくい)
だから、昔の時代劇によく出て来る人斬りやら土左衛門、お代官様が町娘にやる「あ〜れ〜」だって、今はバラエティ番組で面白く見せてるけど、実際かなりえげつない事な訳です。
そして、武士の時代は、今よりもはるか身近に「死」があったのだと思う。
疫病は勿論だけど、罪人の罰だって、今より遥かに重い。
遠山の金さんとか何となく見てるけど、あれに出て来る悪人って大抵「市中引き回しの上打ち首、獄門*2」とか言われている。
なにより、名誉のためには「切腹」だってあり得る。
ていうか、自ら選ばねばならない。
家族のため、何よりお家の為。
今の私たちには、選ぶ事なんてできない。
少なくとも私は、ちょっとくらいバカにされても、生きてたいと思ってしまうなぁ。
横道にそれた。
まぁそれくらい、日本には「死」が近しい存在だった。
だから、かどうかわからないけど、和風の作品世界(ゲームに限らず、映画など)で人が死ぬ事に、どこか抵抗の薄い自分がいる。*3
それは私だけではないらしい。


さっき、早速「侍」買ったとメールがあった。感想が楽しみだ。


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*1:読み方はグランドセフトオート・バイスシティ

*2:馬に乗せて町の人たちに顔をよく見てもらった後に打ち首、さらし首となる。

*3:別に賛・人殺s(自主規制)ではない。これは断言!!!現実の死は、空しさか悲しさばかりしか生まないよ…